食卓が写すこれからのフードスタイル

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食で世界を統べる

世界三大料理といえば何を思い浮かべますか?
料理にあまり詳しくないという方でも、有名なフランス料理のことはご存じでしょう。
ドレスコードを持った高級なレストラン。
そこで守らなければいけないマナーや作法の多くはフランスの食文化に由来しているのです。
テーブルに座って、ナイフで切り分け、スプーンやフォークを使って料理を口へ運ぶ。
ファミリーレストランでも見られる当たり前の光景ですよね。
そんな光景が生まれたのも、フランス料理のおかげといえるのです。
10世紀のフランスでは、ナイフと手づかみで食事を摂っていました。
食事の前に手を洗うという習慣はこの頃からありましたが、その理由は衛生面からではありません。
食卓は神聖な場所であり、身体を清めてから席に着くべしという教えに従っていたのです。
そうした宗教的な習慣は現在でも残っています。
フランスでは食卓のことをサクレ(神聖)という言葉で表しているのです。
当時の一般家庭ではパンとスープのみというメニューが主なものでした。
スープを口へ運びやすくするためのスプーンは、13世紀に登場します。
軽く茹でてローストした肉に香辛料を利かせたソースをかけたものがご馳走だったのです。
科学技術が発展していない時代では、食料を得ることがとても困難でした。

そんな中でも力のある領主たちは、客人を招き豪勢な食事を振舞っていたのです。
今でも引き継がれるマナーや作法は、こうした貴族たちの食卓から生まれました。
彼らは、客人をもてなしつつ自分たちも楽しく食事を摂るために、様々なサービス考案しています。
 

食事でストレス発散

裕福な人々は、食事をしながら演劇や楽器の演奏を観覧していました。
テーブルの片側に主催者と客人が座り、反対側で行われているパフォーマンスを楽しんだのです。
当時はまだ、お皿という食器が存在しませんでした。
切り分けられたパンの上に、肉や野菜を載せていました。
このパンのことをトランショワールといいます。
お皿として使われたパンは、肉汁が浸みこむと食べることなく使用人によって下げられました。
吟遊詩人や役者によるパフォーマンスは、アントルメといわれていました。
1つの料理を用意するのにも時間がかかったので、その幕間を埋める手段として観劇を楽しむことにしたのです。
11世紀から15世紀にかけては、英仏間の百年戦争などが起こった激動の時代です。
食事とは、こうした時勢によって溜まったストレスを解消するお祭りに近い様相を呈していました。
食卓に変化が現れるのはルネサンス期です。
航海技術の発展により、世界中の文化がヨーロッパを駆け巡ります。
フランス貴族の中には、イタリアの高級家具を手に入れる人も増えました。
ナプキンを首の周りにかけるようになったのは、16世紀のことです。
それまでは、左腕に置いていました。
お皿とフォークのプロトタイプが初めて登場するのもこの時代になります。

しかし、どちらも民衆に広まるには至りませんでした。
フォークの先端部分は2つに分かれていて使いにくく、お皿も観賞用としての価値の方が高かったのです。
テーブルの中心に砂糖細工や陶器を飾って、食卓を彩る文化が芽を出したのもこの時代です。
 

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